「あー、やっぱり夏は嫌だわ。もう一回霧出そうかしら。」
「それはやめておいた方がいいと思いますよ、お嬢様」
紅魔館の主には日光が辛い。
特に強い真夏の日は、館で大人しくしているしかなかった。
紅魔館の夏休み
「貴方はどうしてここにいるのかしら?」
「本を借りに来たんだぜ。」
パチュリーに紅茶を用意してきた咲夜は、当然のように図書館に居座る魔理沙を見た。
まだレミリアが気付いていない内に追い出そうと考えた。
「咲夜。そこの鼠を駆除してくれないかしら。」
パチュリーは本を読みながらでも、気付いていたのか咲夜に指示する。
「私は鼠じゃないから、まだいてもいいんだろ?」
「鼠は貴方以外にいませんよ。」
パチュリーの机に紅茶を置いて、魔理沙を駆除する方法を考える。
「まだ本を借りていないぜ。」
「貴方が本を返したことがあったかしら?」
「期限は私が死ぬまでだぜ。」
魔理沙は堂々と本を盗んでいく。
パチュリーは呆れ果てて、本を読み始める。
「とにかくお嬢様に気付かれる前に帰ってくれます?」
「気付かれると何がまずいんだ?」
「お嬢様に遊ばれますよ。お嬢様はかなり退屈そうでしたので振り回されると思いますが。」
「それは遠慮する。私は帰るぜ!」
咲夜が変わらぬ調子で言うと、魔理沙は乾いた笑いをもらす。
それから、すぐに窓から出て行ってしまった。
「咲夜。これ片付けて。」
「はい。」
パチュリーがカップを咲夜に渡す。
「咲夜ー。おやつまだー?」
「すぐに用意しますわ。」
レミリアが咲夜を呼びつける。
咲夜は紅茶とおやつを用意して、レミリアの元に行く。
レミリアは不機嫌だった。
「すみません。遅くなってしまいました。」
「何かあったの?」
咲夜が遅くなるのは珍しいことだったので、レミリアは聞いてみた。
「図書館に鼠がいたので、追い払っていました。」
「ええー…そんなの私がやったのに。」
「お嬢様の手を煩わせるわけにはいきません。」
レミリアは紅茶を一口啜る。
「咲夜。また何か入れた?」
「はい。また趣向を変えてみました。」
レミリアは少し溜め息をついた。
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紅魔館の話を書いてみたかったんです。
それと本を奪う魔理沙。
しかし、私はマイナー妖怪のが好きだ。