「ねぇ、魔理沙。チョコ欲しくない?」
「ん?くれるんならもらうぜ。」
魔理沙ってば、明日が何なのか分かってないのかしら。
魔法使いのチョコ
明日は、バレンタインなの。
好きな人をチョコを渡す日なんですって。
私も本で読んだだけだからあまり知らないのだけどね。
私は魔理沙が好きだから、渡してあげようと思ったの。
好きなんて素直に言えないけれど、チョコに想いを詰める位なら出来ると思ったわ。
魔理沙も察してくれるんじゃないかしら、と思ったのに!
魔理沙は何だか分かっていなかったのよ!
魔法使いなら本でも読んでると思ったのに。
「魔理沙の馬鹿…」
人形達に言っても仕方ないわ。
チョコを作りましょう。
簡単にチョコは出来た。
後は明日魔理沙に渡すだけ。
魔理沙は喜んでくれるかしら…。
「お、アリス。まさか本当に作ってくれるとは思わなかったぜ。」
「作るって言っちゃったからね。用意はするわよ」
魔理沙は喜んで受け取ってくれた。
チョコはすぐに食べられた。
おいしいぜ、といって笑ってくれた。
「ねぇ、魔理沙。何で私がチョコあげるなんて言ったか分かる?」
「ん、気紛れじゃないのか?」
「そんなわけないでしょ。あんたじゃあるまいし」
「なら、バレンタインってやつか?」
言い当てられて、私は顔が赤くなるのを感じた。
「わ、分かってたの?」
「ああ、本で読んだことがあるぜ。」
「なら、何で知らない振りしてたのよ!」
「知らない振りなんてしてないぜ。私はチョコをくれるならもらうと言っただけだ」
じゃ、いろんな事考えてたのは私だけってこと?
「アリス?」
顔が熱くなってきた。
魔理沙が私の顔を覗き込むと、それは爆発した。
「魔理沙の馬鹿!」
叫んでから走り出した。
「ううー…魔理沙の馬鹿、魔理沙の馬鹿、魔理沙の馬鹿…」
魔理沙から離れてから、何分経ったかしら。
涙も溢れて来たから、それをぬぐいながら歩いていた。
「アリス!」
後ろから声がした。
振り返ると、魔理沙がいた。
追いかけて来てくれたのか、息が切れているわ。
「…何よ。」
「私は、アリスからチョコがもらえて嬉しかったぜ。」
「…そう。」
「ありがとな。」
「いいわよ、別に。」
「また作ってくれよ」
「分かったわ。」
その後は私の家でお茶を飲んだわ。
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突発的バレンタインマリアリ。
魔理沙とアリスはリバもいけるかなというくらいの曖昧さを目指しています。
だからアリマリみたくもありマリアリみたい。
結局私の中のカテゴリは魔理沙とアリス。